『波よ聞いてくれ』~抱くか?殺し合うか?二択しかない女~
実は、前回のエントリで取り上げた『ポーラとミシェル』を読む直前まで、一発目はこれにしよう!!!と思っていた作品です。
『波よ聞いてくれ』
…読む人によっては、ぜんっぜん百合じゃないと思われるであろう、あらゆる意味で激しい作品なのですが、私にとってはクッッッソ百合なんですよね~~~!!
物語の舞台は北海道札幌。スープカレー屋でバイトする主人公ミナレ(26歳、フリーター)が、ひょんなこと(金を貸した彼氏に逃げられた)から、ラジオのパーソナリティをやることになり、台風の目のように周りを巻き込みつつ、四苦八苦しながらパーソナリティという仕事に向き合う…という作品です。
沙村先生いわく、恋愛漫画らしいのですが、「れ、恋愛とは…???」と疑問符が抜けきらないところが、これまた最高です。
百合的に美味しいポイントは、なんやかんやあってミナレと同居することになるラジオ局AD“瑞穂ちゃん”のことを、ミナレがしょっちゅう「抱きたい…」と言ってくれるところ。最高に百合です。
わかる!わかるよ!!女子だって女子を抱きたいって思うよね!!
「この子…なんて良い子なの…抱きたい…」ってなるよね!!!
そして、すでにパーソナリティとして一定の地位を得ている先輩パーソナリティの“茅代(ちしろ)まどか”様もまた百合しゅごい…。
クール系美人なんですが、夜の公園にミナレを呼び出し、ワンカップ呑みまくってそのあとも色々あり…みたいなタイプのふざけたお姉さんです。
要するに、最高(に、私の好み)のお姉さんなんです!!!
最初はミナレのことを破天荒な面白人間と思っていた茅代さんも、物語が進むにつれ、ミナレをライバルとして意識しちゃうところが大変に百合です。
キャラクターたちのアクが強すぎて、ゆるふわな百合がだいしゅき♡という方にはまったくオススメできないのですが、女子のリアリティと、欲望に忠実な人間の清々しさが、これでもか!!!というくらい存分に味わえる作品です。
アメトーク観てるみたいな、芸人さんが淀みなく面白い会話を繰り広げている様子に安心して腹筋崩壊みたいな、そういう面白さがあるので、お正月に読むのも縁起が良いのではないでしょうか。(適当)
連載中ですが現在単行本は4巻までしか出てませんので、お財布にも優しい…!
というわけで、ぜひ読んでみてください。
新たな百合との出会いに乾杯~!