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『終点のあの子』~文学オタク女とリア充美女の百合~

 

前々回のエントリで山本文緒先生の超絶百合が感じられる『絶対泣かない』をご紹介したら、思ったより反響がありました。というわけで、今回も私の大好きな女性作家さんの小説です。

 

終点のあの子 (文春文庫)』柚木麻子 著

 

プロテスタント系女子校に通うJKたちが、クロスオーバーして登場する短編連作小説です。もう、この“女子校”って響きだけで大変期待しちゃいますよね。そして、期待を裏切らない百合っぷりなんです。

 

どのへんが百合かと言うと、“中学からエスカレーター式で入学した子たちと、高校からの外部組の子たちのほどよい緊張と摩擦から生まれるドロドロした新たな人間関係が楽しめるところ”です。女子のドロドロした関係って、だいたい百合ですよね。

 

私が特に好きなお話は「ふたりでいるのに無言で読書」です。登場人物は、クラスNo.1の美人でプライドの高いリア充美女“恭子”と、文学オタクだけど漫研に所属している冴えない女子“早智子”。学校では当然別々のグループに所属している二人ですが、夏休みにたまたま図書館で出会ったことから、少しずつ距離が縮まっていき…という、なんとも美味しいストーリー。

 

そして、恭子のほうが早智子に対する独占欲が強いのも、これまた最高に百合です。本にまったく興味のなかった恭子も、一生懸命に語る早智子の話に惹きこまれていき…

 

“恭子はまじまじと見つめてしまう。こいつ、ブスだけど結構可愛いかも。「崖の上のポニョ」に似ている。二人は、なんとなく顔を見合わせ、笑い合う”

 

なんていう、え…?百合ですね…??みたいな描写も出てくるのです。百合です。百合なので、ぜひぜひ読んでみてください!

 

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↑菅野裕美さんの装画が素敵(百合クズ私物)。確認したら第一刷だった…嬉しい…

 

柚木先生だいすき人間なので、今後も先生の本が頻出すると思われます。だって百合だもの!だって百合だもの!

すでに次に紹介したい本も決まっているので、めちゃくちゃ楽しみです…。

 

 

新たな百合との出会いに乾杯~!